僕の叔父が肝門部胆管癌で69才という生涯を終えました。
その叔父は僕と誕生日の月日が一緒なので、妙な親近感があり、いつもよくしてくれていました。
叔父を救えなかったのはとても残念ではありますが、同じ病気で苦しんでいる方の気休め程度でもと思いこの記事を書く事にしました。
肝門部胆管癌の治療は手術?
叔父が肝門部胆管癌とわかったのは、2018年12月の終わり頃でした。
12月の中頃から胃の不調を訴えてはいましたが、病院に行くこともなく市販の胃薬を飲んで抑えていました。
いよいよおかしいと気づいたのが、尿の色がコーヒーのような焦げ茶色だった事によるものだったそうです。
近くの病院に行くと、黄疸が出ているのですぐにという事で大きな病院を紹介されました。
そして、即入院。
様々な検査の結果、肝門部胆管癌と診断されました。
叔父は結婚しておらず、親族は兄弟のみという状況です。
僕の母が姉になるのですが、その母に一緒に聞いてくれと言われ僕もその病院に先生の話を聞きに行ったのが2月でした。
その時に、先生からの話で肝門部胆管癌で手術ができないという事を聞かされました。
手術をしたかったらしいのですが、肝臓の切除の量が多すぎるとの事でそれは無理と判断されたようです。
内科的治療で抗がん剤の治療をして、その結果ガンが小さくなってくれればというお話でした。
余命も早くて3ヶ月で頑張って1年と言われました。
僕はその話を聞いた後ショックでしたが、家に帰り、すぐに肝門部胆管癌についてネットで調べました。
すると、そこに書いてあったのは・・
・手術しないと根治できない事
・ガンが見つかった時には進行状態の事がほとんど
ガンというだけで、命に関わるのによりによってこんなに難しいガンを患ってしまうとは。
もはや運が悪いとしか言いようがありませんでした。
深く、肝門部胆管癌を調べていくと健康食品的なものもありました。
その中には体験談で「これを飲んで、肝門部胆管癌が小さくなりました」って書いてあったんです。
僕はこれだ!
と思い無料配布の資料を請求しました。
その資料が届いて、開いてみるとその健康食品はガンに対してのみ攻撃するような事が書いてありました。
まさに「溺れるものはわらをもつかむ」と言ったような状態になってましたので、僕は
「これはすごい!叔父の命を救えるかも!」
と思いました。
ただ、そこに値段が書いてなかったので、電話して聞いてみる事にしたんです。
値段は1ヶ月に26万から38万円かかると言われました。
それを3ヶ月ほど続けてみて効果を確認するという事でした。
「実際に効くんですか?」
という質問も投げかけました。
「6割くらいの方からいい返事をいただいてます。」
僕はすっかり舞い上がってしまっていましたが、妻に
「これどう思う?」
って聞いたんです。
妻は言いにくそうな感じで
「ちょっとうさんくさいかな?」
って言いました。
それで、僕も冷静になれました。
しっかりと調べてみると、そういった商法を信頼してしまい、高額な費用を支払うという事が問題になっているそうです。
僕も冷静になってわかったことですが、命の危険を感じるほどの困っている状態の人に向かって行う商売がうまくいく。
怒りすらこみ上げてきました。
ただ、実際に僕たちがその健康食品を試したわけでもなんでもないので、本当に効果があるかないかについては僕からいう事はできないんです。
ただ、座して死を待つのであれば、経済的に余裕があるのであれば試してみるのも1つの方法なのかもしれません。
しかしながら、僕はその健康食品に対してはあまり信頼していないので、ここで紹介することは控えておきます。
肝門部胆管癌で抗がん剤の効果は?
叔父は僕がそうやって調べているという事は知らずに入院したまま、抗がん剤の治療を受ける事になりました。
3回くらい抗がん剤の治療を行った後に再度、先生の話がありました。
しかし、結果は効いていないという事でした。
もう一度、違う薬を試してみるという事でしたので、そちらに懸けてみるしかない状況でした。
しかし、それから3ヶ月くらい経過した5月手前くらいになって、
「これ以上は手の施しようがありません。」
「これまでの同じガンの症例からするとあと3ヶ月くらい」
と言われました。
抗ガン剤も休止され、もはや残された時を楽しむしかないという状況でした。
大きくなるスピードが思ったよりも早いという事でした。
結局、後から調べてみると抗がん剤は治療をするというよりは、延命と言った方がいいそうです。
この肝門部胆管癌がやっかいなのは、肝門部という肝臓に入口にあるため、胆管を通っている胆汁が流れなくなってしまうんです。
だから、他の臓器に転移があるとか無いとかに関わらず、その胆汁がせき止められてしまいます。
そうすると、肝不全を起こしてしまって死に至ってしまうんです。
なので、他のガンに比べても致死率が高く、進行も早く、位置も悪いので放射線治療もできない。
それくらい難治性の非常に高いガンなんです。
だから、手術しか生き残る手段が無いと言われています。
その手術も場所が場所だけにとても難しいものだそうです。
肝臓の一部を残すという方法を取るらしいですが、当然それにはリスクが大きいんです。
だから、病院によって最初から手術を選択しないっていうのはよくある事らしいです。
肝門部胆管癌で手術できないと言われたら?
これは、僕が今でも後悔していることです。
僕の叔父が入院していた病院では、最初の段階で手術をするかどうかで悩んだらしいですが、結局手術をしないという事になりました。
それを告げられた段階で、その病院に入院したままだと叔父の助かる見込みは0%と言ってもいい状況だったのかもしれません。
僕は今回、肝門部胆管癌についてたくさん調べました。
その調べる過程でわかった事の1つが、「手術をしないと治らない」という事です。
そして、もしそう言われた場合はセカンドオピニオンをやった方が可能性を少しでも高められるという事もわかっていました。
しかし、それを叔父に伝えても反応はイマイチでした。
なので、強く勧める事ができなかったんです。
今いる病院の先生との関係も崩したくないっていうのが人間の心理ですしね。
本当の意味で「死」と向き合えてなかったのかもしれません。
でも、セカンドオピニオンは絶対にするべきだったと今になって思います。
手術しないと治らないとわかっているのに、手術ができないっていう絶望感です。
はっきり言います。
本人は死んでしまったら何もわからなくなってしまいます。
死後の世界があるのかどうかっていうのは誰にも未経験なので、誰にもわからない事ですし。
それよりも本当につらいのは残される側の人間なんです。
もし、生きていて欲しいと考えるならセカンドオピニオンを強く勧めます。
当然、その手術が100%成功するとは言えません。
そして、完治する可能性が高いとも言えません。
むしろそれでも、難しいと言えます。
それでも、強く勧めたいと思うのは、何もせずに死を待つか、そうでないかという違いです。
結局その叔父は6月の始めに突然死に近いような感じでこの世を去りました。
今になっても、その叔父にセカンドオピニオンをさせなかった事を後悔しています。
例え本人が「嫌だ」と言っても、腕を引っ張ってでも連れて行くべきだったと後悔しています。
病院によっては、難しいと言われるこの肝門部胆管癌の手術を行ってくれるところがあります。
そして、このガンにははっきり言って迷っている時間は少ないと思った方がいいでしょう。
今、もしあなたが悩んでいるなら今すぐに動くべきです。
まとめ
こうやって書きましたが、僕は医者でも、実際にガンを患った立場でもないので、正しいことを勧めているとも思っていません。
そして、手術をしたからと言って肝門部胆管癌は治らないかもしれません。
むしろ、他の病気を併発するリスクもあります。
そうなると死期を早めてしまいます。
であれば、死と向き合ってそれまでの期間をどう過ごすかっていう事に充てるというのも1つの手立てなのかもしれません。
しかし、残される者の立場からすると、そういうものではありません。
生きている間、その人がずっといなくなってしまうわけですから、とても寂しい思いをしなければいけません。
それを選択するのは、誰でもなくあなただと思ってもらいたいです。